君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「どうした? 」
正和が竹中に尋ねると、浜田がスーマトフォンを差し出した。

「わかったんだよ。彼の正体が。浜田が小野寺と聞いてネットで調べたらしいんだ」
竹中が言うと、正和がスーマトフォンを覗きこむ。

「まさか、彼が音楽家の小野寺哲哉の息子だったとわね」
竹中が寝入っている小野寺の方を見る。
正和も驚いたように、小野寺の方を見る。

スマートフォンの情報サイトには、小野寺のことか載っている。彼も父親と同様に音楽家である。今現在ニューヨークに在住してあることが書いてあった。

「えっ! 小野寺哲哉の息子さん」
静香も驚いたよう顔をして、浜田のスーマトフォンを覗いた。

小野寺哲哉は、世界的に有名な作曲家でもある。映画音楽や国際的なイベントの音楽などを手掛けている。まさに、『世界の小野寺』と言われている人物である。
その息子が、今ここで酔いつぶれている。皆、なぜか不思議な気持ちだった。







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