君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「しかし、わざわざニューヨークから、女性を追いかけてきたのに、ふられて酔いつぶれているなんて、まったく惨めな、サマーハートブレイカーだな」
竹中が少し茶化したように言う。

「止めなさいよ、そんなこと言うのわ」
小田が睨むようにして言う。

「おい」
正和もムッとしたように言う。

二人の表情を見て、竹中は余計なことを言ってしまったと思い、
「すまん・・・・・・冗談だよ」
と、弁解するように言う。

店の扉が開いた。

「外にタクシーが停まっているけど、誰が呼んだの? 」
真紀子が、店に入ってくるなり尋ねるように言う。


静香が小野寺に近寄る。
「ねえ、お客さん」
静香が声を掛けたが、小野寺は一向に起きる気配がない。

< 111 / 137 >

この作品をシェア

pagetop