君だけに夢をもう一度 ~完結編~
正和が店の前に来ると、午前十時前だった。
そろそろ店を開ける時間だった。

正和は、ズボンに手を入れて鍵を取り出して、木彫りのダーク色のドアを開ける。

店内に入りと『OPEN』と書いてあるボードを店の外に置いた。
そして中に入り照明を点けて冷房を入れた後、CDラジカセに電源を入れる。

オルゴール調にアレンジされたサザンの『真夏の果実』が流れてきた。

「おはよう」
正和の姉が店に出てきた。

「おはよう。彼起きてる?」
正和が小野寺のことを気に掛ける。

「ええ、さっき朝ごはん食べていたわよ」
「じゃ、ここ見ていてくれる」
正和は、姉に店番を頼んで奥の自宅へ行く。

店と自宅は、ひとつの扉でつながっている。

正和は扉を開けると自宅の台所がある。
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