君だけに夢をもう一度 ～完結編～

「飲ませたなんて・・・・・・」
正和が誤解を解くように言いかけた時だった。

「山本さんは悪くはありません。僕が勝手に飲みたくて飲んでいただけです。そのうち、酔いつぶれてしまって、こちらにお邪魔させてもらったわけです」
小野寺はバツの悪い顔をして言う。

「お母さんの手料理、とても美味しかったです」
小野寺は、母親が用意してくれた朝食を感激したように言う。

「そう、大したものじゃないんだけで・・・・・・」
母親は照れ笑いする。

「良かったら麦茶でも、どう？　」
母親が小野寺に勧める。

「はい、いただきます」

母親は、冷蔵庫から作り置きの容器に入れた麦茶を取り出す。
グラスに入れて、小野寺に手渡した後、二階の仕事場へ行った。