君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「以前、僕は君と別れた後、一度だけ君に会いにいったことがあった。だが、その時君には別の恋人がいた。それで、つい、君の前に現れることが出来なかった。でも、彼は違う。ちゃんと、君の前に現れて、自分の思いを告げようとしていた。君自身も本当は彼のことが好きじゃないのか? 」

「・・・・・・・」

「お互い好きな者同士だったら、無理することはないんじゃないか? 男と女っていうのは、ちょっとしたすれ違いから、後になって悔やむことがある。それが、どんなに大事だったことか、君にもわかるはすだ・・・・・・」

「・・・・・・・」

「君は才能あるミュージシャンかもしれない。でも、その前にひとりの女性だろう。もう、自分の心に嘘をつくのはやめろよ。君には幸せになって欲しいだ」

正和は、真顔で訴えるような言い方した。





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