君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「さっきの電話・・・・・・お母さんから・・・・・・? 」
栞が、ボソリと聞く。

「いや・・・・・・小田からだ」
正和が、栞の方を向いて答えた。

「そう・・・・・・小田ちゃん」

「お母さんには、君と博多駅で会った時、すぐに電話をした。よくわからないが、君のことを引き止めてくれないかと頼まれた。だから、こうやって一緒にドライブをしているんだろう」
正和はシートにもたれて、ペットボトルのキャップを開けながら説明するように言う。

「ところで、JRに乗って、どこに行こうとしたんだ? 」
正和が気になることを聞いた。

栞は、紺色の半袖クルーネックTシャツに白のストレッチパンツ姿で、トラベルバッグを持っていた。あきらかによそ行きの姿だった。

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