君だけに夢をもう一度 ~完結編~
二人は歩いて駅を出た。
夏の陽射しは強く、冷房の効いた建物から出るとムッとする熱い感覚がある。

二人は近くのカフェに入った。

テーブルを挟んで二人は座る。
正和はアイスコーヒーと、栞はアップルジュースを注文した。

二人は黙ったままだった。

やがて正和から、
「さっきは、戻って来てありがとう。おかげで助かったよ」
と、口を開いた。

「私のことで、おじさんに迷惑かけるのが嫌だったのよ・・・・・・だから、気になって戻ってきたの」
栞は、バツの悪い顔をしながら言う。

「お母さんから頼まれたんでしょう?」
栞がわかったように聞いた。

「ああ・・・・・・」
正和が素直に答えた。

栞は正和をじっと見つめた。そして、
「ねえ・・・・・・おじさん時間ある? 」
突然、栞が思い出したように聞いた。

「えっ!・・・・・・・ああ・・・・・・」
正和が、どっちつかずの返事をした。

「だったら、連れて行ってもらいたい場所があるの?」
栞が、正和に頼むように言う。











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