君だけに夢をもう一度 ~完結編~
正和の車は、ゆっくりと車を動かし車道へと出る。

両サイドに松の木が並んだいる車道の中を車は走った。

カーステレオから、サザンのアルバム『パラット3』が流れてくる。

二人は車内では何も喋らなかった。
正和自身、栞ぐらいの若い娘と会話をする機会がない。
そのため、どのような話題をしたらいいのか、正和はとまどっていた。

無言の雰囲気は、どこか重苦しい空気を漂わす。
それを、追い払うようにサザンの音楽は車内の雰囲気を変えた。

栞は、窓の景色を眺めながら、鼻歌まじりに口ずさんでいた。


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