君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「ねえ、もう一度、聞かせてくれない?」
栞が、『TSUNAMI』を聞き終わって正和を方を見て言う。

正和は何も言わず、カーステレオのリセットボタンをを押す。
再び、『TSUNAMI』が流れた。

栞は、窓の方を向いて歌にあわせて口ずさむ。
その姿は、どこか母親の真紀子と同じような仕草をしている。親子だと正和は素直に思った。

やがて助手席側から、海が見えてきた。

「あすこに入ろう」
正和が、『海の家』と書いてある看板の駐車場に車を入れる。


車を止めた。
駐車場の前に海の家の建物があって、その向こうに海が見える。

二人は車から降りた。



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