君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「東京・・・・・・」
正和が、聞き直す言い方をする。

「私、東京でダンスのオーディションを受けようと思うの」

「東京でダンスの大会でもあるのか ?」

「大手のレーコド会社が主催するダンスのオーディションがあったの。その地区予選が福岡でもあったから、自分のダンスがどこまで通用するか、試すつもりで受けてみたの。そうしたら、最終エントリーに残ったのよ」
栞が、笑顔になって嬉しそうに話す。
 
「それで、今度は東京で本大会があるから・・・・・・それで・・・・・・」

「それで、東京行きをお母さんに反対されたから、黙って東京に行こうとしたんだな」
正和が、栞が言おうとしたことを言った。

「お母さんに黙って東京に行くのは良くないな」
正和が、キッパリと厳しい表情で言う。

正和の言葉に、栞が顔をしかめた。


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