君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「でも、本大会に行くなんて、すごいじゃないか」
正和が感心する。

「本当にそう思ってくれる?」
正和の言葉に反応するように嬉しそうに聞く。

「ああ・・・・・・」
正和がニコリと笑う。

「ねえ、おじさん頼みがあるの。お母さんを説得してくれない?」
栞が、切羽詰った様子だった。

「私、自分のダンスがどこまで通用するか試したいの。ダンサーになるのが私の夢なの。
東京に行けるように、お母さんに頼んでくれない? 」

「・・・・・・・」
正和は黙りこんだままだった。

そして、「わかった・・・・・おじさんさんから、お母さんに東京行きのことを許してもらえるように話してみょう」

正和は、栞がダンスに打ちこむ強い意志みたいなものを感じた。その思いに押されるように言葉が出た。





< 27 / 137 >

この作品をシェア

pagetop