君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「美和さんに何かあったの?」
小田が、美和の態度を気にかけた。

「いや・・・・・・別に・・・・・」
竹中が、どっちつかずの返事をする。

「あっ! そろそろ行かなくちゃ」
小田が腕時計を見る。

「今からお店に戻ってくるから、それまで彼女のお相手をしていてくれない? 」
小田は美容院を営んでいる。営業時間が終わるため店に戻らなければならない。

「えっ!?」
竹中が渋い顔をする。

「どうしたの? ちょっとだけ、お店を閉めてくるだけの時間なのよ」
竹中の態度が少し変だった。

「それは、ちょっと・・・・・・」
竹中が困った表情をした。

敦子が二人のそばに来た。

「敦子さん、私今からお店に戻って、またここに来るから、それまでここで待ってて」
小田が敦子に一時的に別れを言う。

「いや! ちょっと」
竹中が、慌てて小田を倉庫の外に連れ出そうとした。

「どうしたの!?」
小田が、けげんな顔で聞く。

二人の姿を、敦子が不思議そうに見る。

< 34 / 137 >

この作品をシェア

pagetop