君だけに夢をもう一度 ~完結編~
敦子の視線を感じた竹中が、
「良かったら、これでも飲んでいて下さい」
と、言って作り笑いをして、敦子に缶ジュースを手渡した。

「ありがとうございます」
敦子は、缶ジュースを受け取る。

竹中は、小田をひっぱるようにして倉庫の外へ連れ出した。

「二人になるのは、まずいんだよ」
倉庫を出るなり、竹中が小田に強調するように言う。

「どうして・・・・・・!?」
小田は、竹中の手を振りほどいて聞く。

「ちょっと、嫁といろいろあって・・・・・・・」
竹中は言いにくい様子だった。

「いろいろって・・・・・・?」
「だから・・・・・いろいろな・・・・・・」
竹中が、言葉をはぐらかす。

「はっきりしなさいよ!」
しびれを切らした小田が、怒ったように言う。

「実は嫁の機嫌が悪いんだ」
小田のひと言で、竹中の重い口が開いた。
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