君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「ごめんなさい。栞が変なことを言って、気にしないでね」
静香が、生ビールと枝豆をカウンターに置きながら、敦子に気を使って言う。

「はい・・・・・・」
敦子は、静香にどう答えていいのかわからずに、照れるように微笑する。

竹中が席に戻ってきた。
竹中と敦子は、ジョッキーを合わせて乾杯をした。

「うまい」と、ひと言言って、竹中はグッとビールを飲んだ。
敦子は、ジョッキーに口をつけて少しだけビールを飲んだ。


「お待たせ。何か飲む」
静香が、正和と栞の前に立って注文を聞く。

「じゃ、ウローン茶」
「えっ! ビールじゃないの? 」
静香が聞き直す。

「中田と話しがあるから、それが終わったら、ビールをいただくよ」
「そう・・・・・」
静香は、正和の説明に頷く。

「あなたは何にする? 」
今度は、静香が栞に飲み物を聞く。

「・・・・・・・」
栞は、黙りこんだままだった。





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