君だけに夢をもう一度 ~完結編~
「お母さんなんて、大キライ!!」
栞が半泣き顔で甲高い声を出した後、勢いよく店を飛び出して行った。

「中田、いいのか?」
正和が栞のことを心配して、真紀子に言い寄る。

真紀子は、グッと唇をかみしめて渋い顔をしている。栞にとった思いがけない行動が、自分自身にも信じられないという感じで放心している。

「栞ちゃんを探してくる」
正和が、栞の後を追うように店を出ようとすると、敦子と目が合う。

「・・・・・・」
正和は、何も言わずに店を出て行った。


< 60 / 137 >

この作品をシェア

pagetop