君だけに夢をもう一度 ~完結編~
正和は、昼間のバンドの練習を終えて、小田を自分の車に乗せて帰宅していた。

「ごめんなさいね。真っ先に正ちゃんに相談することだったんだけど・・・・・・」
助手席で小田が、運転中の正和にすまなそうに言う。

「何を謝っているんだ? 」
正和がチラリと小田を見る。

「敦子さんと、今度のライブを一緒に演奏することを決めていたことよ」

「なんだ、そのことか。別に気にしていないよ。自分も彼女と一緒にライブで演奏できたら、いいと思っているよ」

「そう、良かった」
小田が正和の言葉に案心する。

「それから・・・・・・」
今度は小田が、言いにくそうに途中で言葉を切った。

「どうした? 」
小田の態度に気になるように、正和が聞いた。
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