ホワイトデー・アフター
「え?ああ!そっか。今日3月14日…」
「ま…幼なじみだからさ。急にこんなこと言われたら困るかもしれないけど。」
かばんに忍ばせておいた、小袋を取り出した。
袋は白地に青色の文字で、『Thank you』なんて書いてあるけど。
「これ、受け取ってよ。」
「あたし、に?」
君は少し困ったような笑顔をしていた。
「うん。」
「中見てもいい…?」
こくり、と俺は頷いた。
「私の好きな苺のキャンディ…。」
彼女はパッと俺の顔を見た。
今まで見たことないような驚いた顔で。
俺はそんな彼女の顔を直視出来ず、少し俯く。
「あのな…ずっと好きだったんだ。」
「え…。うそ。」