ホワイトデー・アフター


「「あの!!」」

うわっ最悪だ、ハモった。


じっと互いの顔を覗き込む。


「そ、そっち先どーぞ。」

「え…う…私後でいいよ。」

「いいよ、話してよ。」


「…実は、バレンタインの時ね……。」


バレンタイン、と聞いて心臓がドキッとした。

何だ?もしかして他の男と…


「チョコレート作ったんだよ?でも私…渡す勇気がなくて。次の日ね、全部自分で食べちゃったんだ。」


「は?」


「すっごく後悔してて、チャンスだったのにって。」

その時、彼女の目が少し潤んでいるのに気付いた。

「また、来年しかチャンスないかもって思ってた…。なのにまさか、そっちから言ってくれるなんて思ってなかった…!」


君の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。


「それって…」

「ありがとう…。私も好きです。」




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