ホワイトデー・アフター
「なんかね、バレンタインの前日、ルンルンでチョコを買うあなたを見たって子がいてね。」
「…え?」
「女の子達の間では、『そっちの気があるのかも』って噂が流れてたんだから!」
まさか、あの日誰かに見られてたとは……。
最悪だ。
女子のネットワーク、恐ろしい。
とりあえず、そんなのは誤解だ。
「んなわけねーだろ!あのチョコはお前に渡すために買っ…」
お、おい俺、勢いで何ぶっちゃけてるんだ。
彼女はキョトンと目を丸くしていた。
「そうだった、の?」
「あぁもう…そうだよ!そんな変な誤解が生まれてるとは知らなかったけどな。」
「まさかそのチョコ。」
「お前と一緒。渡す勇気出なくて全部食った。」
「「2月15日に」」
ふふ、と俺達は笑いあった。