ホワイトデー・アフター
「ホワイトデーのお礼、だよ?」
彼女の唇が、俺の頬にふわりと触れた。
「今はまだほっぺたで我慢してね…?」
そう、恥ずかしそうにウインクし微笑んだ。
「………勘弁してくれよ〜…」
きっかけは何だっていい。
必要なのは、ほんの少しの勇気。
「…帰るか。多分バスいっちまったし。送るよ。」
「ありがと!」
ふいに、左手に伝わる温もり。
「手繋いじゃった!アハハ!」
彼女の笑顔に俺は絶対勝てない。
ずっと昔から愛しくてかわいい、俺の『彼女』。
End