ホワイトデー・アフター
「逆チョコ…いいじゃん。」
俺は急いで家を飛び出しチャリにまたがって、近所のスーパーに向かった。
もちろん、思い切ってその『逆チョコ』を購入してみることにしたのだ。
俺は出来るだけルンルンな感情を抑えて、足早にバレンタインコーナーに向かった。
チョコ売り場は女の集団でかなり賑わっていた。
女どもはあーでもない、こーでもないとペチャクチャ話している。
俺からしてみると、チョコなんて全部一緒なんだけどなぁ。
そんな女の集団を横目に、『例の』チョコレートを探していた。
賑わう売り場から少し外れた隅の方。
「あ…。」
それは、コーナーの片隅にひっそりと佇んでいた。
『男性の方、必見!逆チョコ』の文字。
ドキドキしながら、そのチョコレートを手にとった。
だ、誰も見てないよな。
こんなの学校の連中に見られたら…
よし、知ってる奴はいないな。
若干、自分に向けられた視線が痛かった。
よくよく考えたら、コソコソうろうろしてた自分が相当怪しかったからだと思った。