ホワイトデー・アフター

3月14日。
午後6時。

いつもなら家にいる時間。
校門の右横に俺はいた。


部活の終わる時間。
アイツが、帰る時間…。


「……遅ぇなぁ。つーか寒ぃ〜…」

3月とはいえ、まだ肌寒い。
俺は身体をさすった。

「あーもう早く来いよ!」


「え?誰か待ってるの?」


「あ…。」


「せっかく帰宅部なのにね。こんな時間まで学校で何してたの?」


にこぉ、と優しく笑う君。
幼い頃の面影が少し残る、かわいい女の子。

…俺の好きな人。


< 9 / 23 >

この作品をシェア

pagetop