永遠の願い
次々と他校の演奏が終わる。

「あ~めっちゃ緊張してきた!!」

「そやなあ。」

「今年は一応うちらの学校も

期待されてるらしいし…」

とか何とか言いつつ、

舞台袖へ行ったあたし達。

いつも2,3年だけでは

人数が足らんから1年生の何人かは、

5月からみっちり特訓を受けて、

早くも舞台にたったことがある。

その中の1人があたしなわけで

去年の緊張の割には、

今年はあんまり緊張していなかった。

先生かって、太鼓判までとはいかんけど、

結構褒めてたし。

今年はもしかして行けるんじゃない?

なんて思ったりして…。

演奏は思ったよりもあっけなく終わった。

その後は、残りの演奏を聴いていた。

聴くときは大体学校ごとに

座る場所が決められていて、

仲が良かった怜と座った。

その時、あいつが、

そう、あたしの運命を変えた人が、

怜の隣に座った。

前から気づいてたけど、

怜ってこいつ狙ってるんだっけ。

やるなー。とか思いながら座ったものの、

やたら演奏が耳に入らない。

なんでかって、

怜とあいつ、あのいつも仏頂面で

取っ付きにくそうなオーラバリバリの先輩

「卓也」が仲良く話していて、

何でかあたしもそれに巻き込まれたからだ。

あのー…聴けないんですけど。

と言うのは口にしなかったけど、

というか、卓也先輩ってこんな風に笑うんや…

っていう印象のほうが強くて、

後になったらそんなこと忘れてた。
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