歳の差レンアイ、似た者同士。
『秀介、いつ帰ってくるつもりなの?まさかずっと大学病院でなんて言わないでしょうねえ?』
そう言って電話をかけてきたお袋。
いつもはまだ仕事している時間で、今日はたまたま早く終わったから、ケータイがつながってしまったのだった。
「今はまだ勉強したいんだよ」
『そう言うけどねぇ…こっちにも大きな病院はたくさんあるし、せめて近くに帰ってきたらどうなの?』
「まぁ、そのうちね」
『それに、秀介が帰ってきたらウチの病院も心臓外科チームが立ちあげられるって、お父さんも張り切ってるし』
「はぁ?人工心肺装置買ったの!?」
『あなたが心臓外科医になるって言ったからよ。お父さんも元々手術がしたい人だったから、秀介が帰ってきたら心臓外科医の人数も揃うし…って』
息子のためにン千万する機械を買う親ってどうなんだ…。
甘すぎ!!
そんなんじゃ立派な大人になれませんよ!!
そうか。
だからオレはこんな人間になったのか。
「ありがたい話だけど、今すぐには無理。もう少し大学病院で勉強してから、そっちに帰ることを考える。かわいい子には旅をさせろって言うじゃん」
『…かわいくない子ねぇー』
お袋の捨て台詞を聞きながらケータイを閉じた。
オレはなんで医者になったんだろう。
敬遠していたはずの親父の後を追うように、心臓外科に進んだのはなぜだろう。
子供の頃、家族を放ってでも病院に出かけて行った親父の背中を覚えてる。
今は循環器内科医だけど、大学病院にいた頃は凄腕の心臓外科医だった。
たまに会う親父は、幼いオレに心臓外科医だったころの武勇伝を何度も聞かせていた。
あんな鬱陶しい奴になりたくない!
今でもそう思ってる。
なのに、オレは親父の後を追っているなんて…
そう言って電話をかけてきたお袋。
いつもはまだ仕事している時間で、今日はたまたま早く終わったから、ケータイがつながってしまったのだった。
「今はまだ勉強したいんだよ」
『そう言うけどねぇ…こっちにも大きな病院はたくさんあるし、せめて近くに帰ってきたらどうなの?』
「まぁ、そのうちね」
『それに、秀介が帰ってきたらウチの病院も心臓外科チームが立ちあげられるって、お父さんも張り切ってるし』
「はぁ?人工心肺装置買ったの!?」
『あなたが心臓外科医になるって言ったからよ。お父さんも元々手術がしたい人だったから、秀介が帰ってきたら心臓外科医の人数も揃うし…って』
息子のためにン千万する機械を買う親ってどうなんだ…。
甘すぎ!!
そんなんじゃ立派な大人になれませんよ!!
そうか。
だからオレはこんな人間になったのか。
「ありがたい話だけど、今すぐには無理。もう少し大学病院で勉強してから、そっちに帰ることを考える。かわいい子には旅をさせろって言うじゃん」
『…かわいくない子ねぇー』
お袋の捨て台詞を聞きながらケータイを閉じた。
オレはなんで医者になったんだろう。
敬遠していたはずの親父の後を追うように、心臓外科に進んだのはなぜだろう。
子供の頃、家族を放ってでも病院に出かけて行った親父の背中を覚えてる。
今は循環器内科医だけど、大学病院にいた頃は凄腕の心臓外科医だった。
たまに会う親父は、幼いオレに心臓外科医だったころの武勇伝を何度も聞かせていた。
あんな鬱陶しい奴になりたくない!
今でもそう思ってる。
なのに、オレは親父の後を追っているなんて…