歳の差レンアイ、似た者同士。
「もう大丈夫なのか?」

「うん。ちょっと痛かっただけなのに、近くにいたサラリーマンが車掌呼んじゃって。大げさだよねー」

「…そうか、よかった」

なんだ、話せるじゃん。

よかった。

「先生…聞かないんだね」

「んー?なにがぁ?」

「さっきのこと…」

さっきまで笑ってたのに、また沈んだ表情。

気になるけど、聞けないんだ。

また泣かせるんじゃないかって。

「いいよ。また話したくなったら聞いてやってもいいぞー」

“また”が来るのか分からないけど、その時に傍に居たいって思ったのは事実。

これは医者としてじゃなく…

荻原紗英は立ちあがって言った。

「ありがと、伊崎先生」

あれ、名前…

あっけにとられていると

「コーラもありがと。じゃあね」

そう言ってバス停の方に歩いて行った。

…やっべーな、オレ。

ほぼ10歳も年下のタコ女に心奪われてるなんて。





オレはっ……


ロリコンじゃねぇぞー!!
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