歳の差レンアイ、似た者同士。
何かを抱えてる。

何か触れられたくないことがある。

オレの場合は、家のこと。

みんなから羨ましがられるけど、オレにはプレッシャーであり、それがコンプレックスなんだ。

あいつは?

荻原紗英は、何を抱えてるんだろう…



ふと思い立つ。

仕事を終えた深夜。

あのコンビニへ向かった。

煌々と光るコンビニの明かり。

その窓越しに、荻原紗英を見つけた。

予想通りだ。

最近は学会準備で、仮眠室に泊まり込んだり、飯も食う元気もなく直帰することが多かったから、しばらく来てなかったんだ。

店内に入って、雑誌コーナーに行く。

視線が合う。

逸らされる。

……え!?

無視かよ!

苛立ちを抑えきれず、彼女に向かって言う。

「なんで来ないんだ?」

……。

しばらく間が空いたあと、

「もう、治ったから」

視線を合わさないまま言った。

「治ったかどうかは医者が判断すんだよ」

「患者本人がいいって言ってるんだからいいでしょ!?」

「良かねーよ!心配すんだろ!?」

言ってしまってから、ハッとした。
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