歳の差レンアイ、似た者同士。
現れた男は、オレを見るなり怒りをあらわにした。

彼女の話によると、そいつは高校の先輩だった人で、今は大学2年らしい。

「なんだよ、コイツ」

「…彼氏」

さっきまで笑ってたのに、急に声が小さくなる彼女。

騒がしいファミレスでは、かき消されてしまいそうなほどに。

「はぁ!?なに、二股?」

二股!?

別れたって言ってたんじゃなかったのか!?!?

これには、つじつま合わせの達人もビックリだぞ…。

「なんとか言えよ!!」

って、思ってるのはオレも。

だけど、ここは丸く収めなければ。

「サエは別れたいって言ってんだけど。別れてくんない?」

「何だよテメェ!?口出しすんじゃねーよ!!」

はい、すみません。

その迫力に負けそうになる。

吹っ掛けられたケンカには相手したいところだけど、大人だし?

もうケンカに勝てる気もしないし?

まぁ、体力的に?

「サエ!!なんとか言えよ!!」

「ご…ごめんなさ…」

修羅場だぁ~…。

これまでの人生、だいたいオレは責められる側で、ひたすら謝る役回り。

だけど今回は傍観者?

いや…傍観者じゃダメだろ!

「とにかく、別れたいって言ってるからさ」

「……じゃあさ」

男は立ち上がる。

な、なに!?
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