歳の差レンアイ、似た者同士。
第3章 キミとの関係。

関係の変化

***

最後の診察。

この場所で彼女と会うことは、この先きっとないだろう。

「心機能も戻ってるし、もう大丈夫」

…はぁー…。

なんか寂しいっつーか、つまんねーっつーか…変な気分。

とか言って、オレ乙女ちっく!?

「先生?」

「……。」

「せんせーってば」

「…ぇ、はい!?」

やべぇ。

ぼーっとしすぎ。

「この間は、ありがとう。ちゃんとお礼言ってなかったし。弘人のことも、助けてくれてありがとう」

こんな半人前の医者でも、役に立つこともあるんだな。

これにて一件落着ってとこか?

最後だから言っておく。

「これからは変な男に引っかからないようにな」

「わかんない」

「なにぃ!?」

「ダメな男ほど惹かれるんだよねー」

「なんだそれ…」

道重が好きっていうのは、ただのハッタリだった。

そうか。

道重は“ダメな男”じゃないからか。

「お大事に」

言い慣れたそのセリフを、彼女に向かって言うのはこれで最後。

最後、か。
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