歳の差レンアイ、似た者同士。
カルテを書いて、画面を閉じる。

これで終わり。

「先生、ありがとうございました」

らしくなく、礼をして出ていく。

なんだ。

ちゃんとしてんじゃん。

ちょっと微笑ましく思う。

オレ、父親みたいだな…。





午前1時の帰り道。

今日は4時間以上も寝られる。

“も”とか言ってる時点でおかしいか?


__♪♪♪


あれ?

ケータイ鳴ってる?

「もしもしー?」

『……』

向こうの応答はない。

なんだ?

電波悪い?

不思議に思って立ち止まる。



「やっぱり先生だ」



その声は、受話器の向こうからではなく、うしろから。

薄暗くて見えにくいけど、荻原紗英。

「後ろから見ても分かったよ。浪人生っぽい背中、伊崎先生だって」

「まだ言うか~?」

なんでこんな夜中に出歩いてんだ?

いつものことだけど…
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