歳の差レンアイ、似た者同士。
3分50秒で到着したERは野戦病院と化していた。

あー…

もうヤダ。

ヤル気失せる。

「伊崎先生~っ!!」

研修医が一番テンパってて、看護師さんたちは呆れながらも処置に走る。

「バカ!家族に説明したか?」

「いち、いちおう、説明しましたっ…けど、どうしたらっ…」

「泣くなバカー!!泣きたいのはこっちだ!!こんな時間に呼び出しやがって!!」

呪う。

マジ呪う。

モニターのアラーム音が鳴り響く中で、イライラしながら処置を始める。

「研修医!挿管しろ!」

「えっ!?」

「早く!オレこっちやってるから!挿管くらいしたことあんだろ!?」

ほんとツイてない。

医学の父、ヒポクラテス様の呪いか?

でもさぁ、荻原紗英はもう患者じゃなくなったんだぞ?

付き合ったっていいじゃん?





30分後。

無事にICUに送り届けた。

涙を流しながら患者さんに付きそう家族を見て、胸をなで下ろす。

よかった…

助かってよかった。

「伊崎先生、ありがとうございましたっ…!!すみませんでした!!」

帰ろうと思ったら、まとわりついてきた研修医。

「えーと、名前なんだっけ?」

「廣田です!!」

「そう、廣田先生。このツケはいつか返してもらうからなっ…!!」

「はい!!」

やけに良い返事しやがる。

なんだ?

「いつか先生みたいな心臓外科医になって、恩返しします!」

「ぜってーいらん!!むしろ心外に来るな!!」





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