歳の差レンアイ、似た者同士。
サエの言葉を聞いて、ドキっとした。

手もつながせてくれないのに。


「…そんなまじまじ見んなよ」

「暗くてよく見えないし」


俺には見えるよ?

口から出るセリフはぶっきらぼうでも、震えるその瞳。

本当は寂しがり屋なんじゃないかって。

何かにすがりたいんじゃないかって。

まるで、自分を鏡で見てるようで…苦しくなるんだよ。


「目、とじて」

「先生って案外純情なのね?」

「ちょっと黙ってくれる?」

「ん…っ」


サエの言葉を塞ぐようにキスをした。

苦しいのに、どうしてこんなにも惹かれてしまうんだろう?

埋められない心の隙間を、埋めあってるみたいに君を求めてる。


「…家、行ってもいい?」

「それはダメ」

「なんで??」

「明日学校だろ?」

「秀介くんの家から行くもん。子供じゃないんだしいいでしょ?」

「まだ子供みたいなもんだよ」


そう言うと、サエは俺をものすごい視線で睨んだ。

…目ヂカラ、ハンパねぇ~。


「あぁ、そうですかっ!!」


逆ギレ。

俺の肩を押しのけて、踵を返したようにズンズン歩いて行ってしまう。

あぁ~…怒っちゃった。

女ってホントよくわかんない。


「サエ、待てって」


追いかけていくと、気付く。

……なんで泣く??

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