秀才くんに教えてあげる
ピーンポーン……
軽快な音が私の頭の中で響く
やっぱり初対面って緊張するよね、うん。
私は深く深呼吸をして気持ちを落ち着かせた
……のと同時に、ガチャ…っと遠慮がちに扉が開く
『………誰?』
『っ………』
私は息をのんだ
整った顔立ち、高さのある身長、服は着ているのに分かる筋肉質な体……そして吸い込まれる様な漆黒の瞳……
目を奪われる
誰……この人……?
『……どちら様……ですか?』
目の前の男は顔をしかめて再び口を開いた
何故かそんな顔をしていても様になる
きっと秀才くんのお兄さんとか親戚とかだろう
秀才くんは部屋に閉じこもって勉強しているに違いない
『えっと……あの…、橘…怜くん…い、居ますか?』
ダメだ…上手く言葉が繋がらない
要を上回る美形なんて存在しないと思ってたから……油断してた
心臓は爆発しそうだし……顔は蒸気が出るんじゃないかってくらい熱い……
私は下げ気味だった顔をあげて男の人に向き直った