秀才くんに教えてあげる


中はとてもシンプルで白と黒を基調とした空間になっている……


………本当にここに住んでるのだろうか…?


片付いた部屋……


洗い物も…もはや何も置いてないキッチン……


………生活感がない


『適当に座って』


橘くんにそう言われ、私はおずおずと近くのソファーに腰を下ろした


どうも落ち着かない


橘くんはスタスタとキッチンに向かって行く


しばらくして橘くんはティーカップを持って戻ってきた


カップの中にはコーヒーが入っている


『……飲める?』


『あ、うん……』


私は目の前に置かれたカップを持ち上げて口に近づける


そしてコーヒーを口に含んだ


……微糖だ


砂糖は入ってるものの…少ししか入っていない


橘くんは私の目の前のソファーに腰かけて自分の分のコーヒーを飲んでいる


『……橘くんは…砂糖は入れない人?』


『……甘いのはあまり好きじゃない』


『そっか……』


淡々と答える橘くん……


きっと橘くんなりに私の事を考えて砂糖入れてくれたんだろうけど……


実は私は大の甘いもの好き


……甘党なのだ


私はコーヒーは苦手で……コーヒーを飲むときはいつも砂糖をたくさんとミルクを入れる


でも……橘くんがせっかく出してくれたんだし……


……我が儘は言えないよね












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