秀才くんに教えてあげる
『……コーヒー、苦さとか大丈夫?』
橘くんが私にチラッと視線を向けて呟いた
『え…大丈夫だよ』
私は軽く微笑んで、またコーヒーを口に含む
………やっぱり苦い
そんな私の様子を見て、橘くんはソファーから立ち上がり、キッチンに向かった
そしてしばらくして両手に何かを持って戻ってくる
そして両手に持った物を私の目の前に置いた
『……え、何で……?』
『ミルクと砂糖。……無理はしなくていいから』
橘くんは私に顔を向けないまま呟いた
…………我慢してたこと気付いてくれたんだ
『…あ、ありがとう』
私はそうお礼を言うと、ミルクと砂糖を入れてコーヒーを飲む
私なりの甘さになってすごく飲みやすいし、美味しい
私は思わず笑顔になる
『ケーキあるけど……いる?』
『い、いる!!』
『……フッ…じゃあ持ってくる』
橘くんは軽く微笑んで冷蔵庫にケーキを取りに行った
………しまった
少しは遠慮した方がよかったのかも……
私は恥ずかしくて下を向いた