秀才くんに教えてあげる
要がニヤリとした笑みを浮かべる
逃げたいけど逃げれない……
どうしよう……!
私がぼーっとした頭で考え込んでいると要の指が私の唇にそっと触れた
それだけの事なのに過剰に体が反応してしまう
『か、なめ……ここ学校……』
『ここは靴箱の隅だし、放課後で生徒は居ない』
『でも……ん!』
『黙って』
反論しようとすると要は私の唇を奪う
早くこの場から立ち去りたい…!
『あっれぇ〜?実加子ちゃん襲われてんの?』
突然聞こえた声に、要は一瞬眉間にシワを寄せてからゆっくりと私から離れた
私は安堵のため息を漏らす
『晴[はる]……邪魔するなよ』
『するに決まってんじゃん、実加子ちゃんの事好きだもん』
ニッコリと微笑みながら晴くんは私に抱き着いた
私より身長は少し低いからか弟に抱き着かれてる気分だ
『離れろ』
要が私と晴くんを引き離そうとするが、晴くんは離れまいと更に力を入れて抱き着く
く、苦しいよ晴くん……!
『やーだ、僕は要兄よりも優しいよ?実加子ちゃんは要兄を選ぶの?』
『え、選ぶって……』
『弟だろうが、兄貴に譲れよ』
『断るね、要兄には実加子ちゃんは幸せに出来ないよ』