秀才くんに教えてあげる
橘 怜[たちばな れい]
これが秀才くんの名前らしい
クラス名簿には名前が書いてあるけど
テストも教室では受けないし、入学してから1回も教室に顔を出してないから
正直、どんな人なのかとか知らないんだよね……
授業に出なくても勉強出来る位だから……きっと今まで真面目に勉強だけしてきた人なんだろうなぁ……
『他の学年にも橘の事は知れ渡ってんだな……なぁ?実加子?』
『え、あ……何?』
『……もしかして……橘の事考えてたとか言わないよな?』
要の鋭い視線が突き刺さる
『い、言いません!言いません!!』
私は手と首を大袈裟に振りながら言った
これ以上、ややこしくなってもらっちゃ困る
『要兄も嫉妬ばっかしてると嫌われるよ?』
晴くんが要を茶化す様に口を開く
『うるせぇ、好きな女が他の男の所に行くのに大人しくしてろってか?』
真剣な表情で言う要を見て晴くんはケラケラと笑った
一体何が面白いんだろう…?
私は頭の上に「?」を浮かばせる