戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣バーリバリ病院。8

ホッカイミチ星座にある、惑星バーリバリ。バーリバリ帝国、バーリバリ市。

マンタロウが、怪獣マチハカイと戦っている。財政破綻した町の怨霊が変化した、怪獣だ。ドテッ。

マンタロウは、簡単に倒された。相変わらず、弱い。コケたとき、額に重症を負った。激痛で、ワンワン泣いている。

小さな町なので、破壊してもつまらない。こんな町を壊しても、名誉にはならない。武士道、いや怪獣道の名がすたる。勝ち誇った怪獣マチハカイは、退散して行った。

光速救急車で、市立バーリバリ総合病院に搬送された。これで、マンタロウも安心だ。
と、思いきや。施設は立派な総合病院なのに、医者は、院長1人しかいない。

看護師は3人だ。おいおい。町の病院は、ここ1件だけだ。老人の患者が、大勢通院している。

バーリバリ帝国は多額の負債を抱えて、市立バーリバリ総合病院も間もなく閉院になるみたいだ。おいおい。こんな病院に、搬送するなよ。

多忙の院長は、他の患者の診察・治療・手術を全て中止した。スーパーヒーローを最優先して、手術することにした。

手術室。院長は、目をこすりながら手術を始めだした。眠い。48時間、働きづめだ。フラフラして、今にも倒れそうだ。

しかも、助手の看護師は1人もいない。違法だが、手術経験の豊富なホームヘルパー2級の女性スタッフに、手伝ってもらった。これでも、ベテランなんだぞー。

ところが、手術中なのに、停電が起きた。自家発電も稼動しない。勘弁してよー。ブレーカーは、落ちていないようだ。なぜ? 

答えは簡単だった。病院も借金だらけで、電力会社に電気代を数ヶ月も支払っていないのだ。滞納していた。結果、電気を停められたようだ。

契約は契約だ。電力会社も、情けはかけない。病院だろうが、市役所だろうが、容赦はしない。

電力を止めたのは、電力会社の社長「怪獣トウデン」の指示だった。血も涙もない、恐ろしい怪獣だ。

院長は、とうとう倒れた。手術ができない。おいおい。勘弁してよ。

マンタロウは、重傷だ。額にカサブタができて、ワンワン泣き叫ぶのであった。

カサブタは、何も塗らない、何もしないのが特効薬である。バーリバリ、YOUバリ。

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