戦えよウルトラ・マンタロウ
ハカイマン星人(裁判編)。11

マンタロウの自宅に、裁判所からまた裁判員になるようにと、命令が届いた。裁判員として、職務を全うしよう。

被告人は、ハカイ星からやってきたハカイマン星人だ。どんな姿形をしているのか。作者の俺も、知らん。勝手に想像して。

裁判所。マンタロウは、アクビをしながら、ウトウトと眠りたい目をこすりながら、裁判員席に座っている。やるきなし。眠い眠い。

そこへ、廷吏がマンタロウの側にやってきた。仲間のハカイマン星人が、宇宙船に乗って街を破壊していると伝えてきた。

総理大臣が、マンタロウに要請をしているらしい。マンタロウは、戦いを拒否した。イヤです。

マンタロウ「冗談じゃないよ。俺は、法律に従って裁判員に選ばれたんだ。ハカイマン星人が暴れようが、街を破壊しようが、関係ないよ。知るか」。フンだ。

しょうがないから、自衛隊が出動して戦った。でも、簡単に自衛隊は負けた。ハカイマン星人は、なぜか全国の裁判所だけは壊さなかった。裁判が終わるまで、マンタロウは裁判員を努めるのであった。チャンス。

裁判を長期化させるために、ハカイマン星人は、有能な弁護士を雇用した。裁判が終われば、強敵マンタロウと戦わなくてはならない。

さらに、検察官や裁判官を脅して長期化させた。他の裁判員たちも脅して、長期化させた。最高裁にまで、持ち込ませた。

さらに、再審請求も認めさせた。長い裁判だ。国民にとって、裁判員制度が怪獣だった。

被告人のハカイマン星人は、有罪になった。罰金1万円だ。電車内で、おばさんAのお尻を触った罪で、逮捕されたようだ。

裁判員制度は、殺人罪などの重罪犯罪者を裁くためにある。軽微な事件に、マンタロウが駆り出される理由はなかった。裁判所の、手続きミスのようだ。

裁判が終わると、マンタロウの職務も終わった。ハカイマン星人たちは、世界を破壊するだけ破壊して、さっさとハカイ星に逃げ帰るのであった。

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