戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ストッキング。14-1
東京都 巣鴨 高岩寺 

とげぬき地蔵前で、セーラー服姿の星子がウンチ座りをしながら、悪友2人とタバコをプカプカと吸っている。吸ったタバコは、携帯灰皿に捨てている。

未成年だけど、マナーは一応守っているようだ。星子はもう、不良少女だ。ヤンキーだ。しかも、なま足だ。でも、足が冷たい。オシャレを楽しみ、美しく見せるということは、耐え忍ぶことなのよ。ニンニン。

近くで、巨大怪獣ストッキングが暴れている。ストッキング・フェチの怪獣だ。女性のストッキングを、掃除機のように口から吸いこんで食べている。

食べると、ニオイが香ばしい。女性の旨み成分を味わっている。恍惚な表情をしている。満足。シアワセ。

ストッキングが、店先から消えていく。女性がはいているストッキングも、無理矢理脱がされている。キャー。

女性たちの足が冷たくなって、困っている。ムクミが消えない。足が細く見えない。とんでもない怪獣だ。女性の敵だ。ムカムカ。

怪獣ストッキングが暴れているのに、星子は気にすることなく、悪友たちとワイワイと会話を楽しんでいる。変身して戦う気が、全然ないようだ。そこへ、3人のおばさんがやってきた。星子に文句を言い出した。

おばさんA「チョッと、怪獣が暴れているのに、どうして変身して戦わないのよ? 戦かいなさいよっ」

星子「あたしの勝手でしょう。あたし、ストッキングなんかはかないもん。なま足派だもん。関係ないもん。フンだ」


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