戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ストッキング。14-2
東京都 巣鴨 高岩寺 

おばさんB「しょうがないわねー。あたしたちが、代わって戦うしかないようね。ヘンシーン」。

お腹や二の腕のたるみなどの振動が、変身の合図だ。ブルンブルン。

おばさん3人は、「お掃除戦隊オバサンダー」だった。Tシャツに描かれた稲妻の絵が、まぶしい。3人のおばさんは、手提げのマイバックを左腕に持っている。長ネギが飛び出ている。買い物帰りの姿だ。

3人は巨大化して、怪獣の目の前に現れた。交差点の中央で、怪獣に詰め寄ってワイワイ、ガヤガヤ、ギャーギャーと大声で怒鳴り、わめき散らしている。怪獣は尻ごみをしている。後ずさりをしている。

しょせん、ストッキング・オタクだ。変態だ。動機はいい加減だ。3人のおばさん相手では、さすがの怪獣も歯が立たない。負けてしまった。謝罪、謝罪。

怪獣は、食べたストッキングを全部吐き出し、女性たちに返すことでオバサンダーに許してもらった。吐き出されたストッキングは、女性たちの足に戻された。

でも、キモイ。今さら返してもらっても、バイ菌・唾液・胃液混じりではとてもじゃないが、はけない。

ところが、なま足派の星子の足に、なぜかストッキングが飛んできて無理矢理はかされた。

60歳以上のおばさんがはくような、安物で、ぶ厚いストッキングだ。色柄が悪い。オシャレでない。ヤーダー。

星子「何で、あたしがこんなダサいストッキングをはかないとならないのよ。冗談じゃないわよー」

でも、足が温かくて、冷え性の解消にはちょうどよさそうだ。正直言って、内心、喜んでいる。女性のオシャレって、大変なのよ。ウフ…。


< 19 / 68 >

この作品をシェア

pagetop