戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ミラー。15-1
千葉県市川市。商業高校。

女性教師が、簿記3級の授業を実施している。星子がコンパクトミラーで、自分の顔を眺めている。アイラインを気にしている。自分は可愛い、ぶりっ子、美人だと自覚している。

唯一の不満は、「全国ミス女子高校生」では「2番」だったということだ。憤慨している。気分悪い。ブイブイ。

その地球の反対側のブラジルでは、「世界性格ブス・ユニバース大会」が開催されていた。

25歳以下の独身で美人、国民投票法に従い選出され、性格ブスの女性が審査の対象となる。2年連続、日本の女性が第1位に選ばれた。恥だ。

そんな時、怪獣ミラーが街で暴れている。ブスの女性の怨念がこもった怪獣だ。鏡が嫌いなようだ。

周辺にある、鏡という鏡を吸い込んで、食べてしまう恐ろしい怪獣だ。顔など映るステンレス製の反射物は、サビのように赤茶色に変色してしまった。これでもう、顔は映らない。女性の敵だ。ザケンナよ。

星子は、お化粧の途中なのに、突然鏡が奪われた。1つの窓が、勝手に開いた。鏡は宙を飛んで、怪獣ミラーが呑みこんでしまった。

星子の、アイラインの左右の濃さが違う。とてもじゃないが、世間には見せられない顔になってしまった。許せない。ムカつく。美的少女としては、恥だ。

友人たちの鏡も、バックが開いて飛んで行った。女性教師のバックからも、鏡が飛んで行った。学校中の鏡が飛んで行った。女性教師は怒った。星子を名指しで呼んだ。

女性教師「星子ちゃんっ!」

星子は、「ハイ」と叫んで立ち上がった。

星子「女性を代表して、怪獣ミラーをもっとブサイクにするわよっ! ヘンシーン」
変身した。美的少女セイコだ。


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