戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ビルダー(恋愛編)。16
東京都 池袋東口 サンシャイン通り

怪獣ビルダーが、街を破壊している。愛する女性に振られた、怨念の化身だ。やけくそで、街を破壊している。

そこへ、巨大化したマンタロウがやってきて、戦った。でも、怪獣ビルダーは強かった。いや、マンタロウが弱すぎるのだ。マンタロウは、道路に倒れた。

マンタロウの額から、血が流れている。「痛いよー」と情けなくも、わめいている。
目の前に、コンビニがある。そのコンビニから、20代のトモコが出てきた。制服を着ている。アルバイトのようだ。

トモコが、巨大化したマンタロウの顔のそばに近づいてきた。マンタロウの額の血を、ハンカチで拭いている。優しいなー。

マンタロウは、その優しさにほれてしまった。トモコに恋をしてしまった。ホの字。
マンタロウ「トモコさん、ありがとう」。涙なみだ。

トモコ「あら、あたしの名前を知っているの?」

マンタロウ「あの、その、テレパシーです。ハハハ」
一瞬、返答に戸惑ったが、何だか、苦笑いをしている。

その時、怪獣ビルダーはトモコを狙った。トモコを、デカい足で踏みつけようとしている。キャー。大変だー。逃げろー。

マンタロウは怒った。トモコを守るために、立ち上がった。パワー全開。
マンタロウ・エルボー。

怪獣ビルダーが、倒れた。すぐに、空を飛んで行って退散した。
マンタロウが勝った。嬉々。キッキッキッキー。

これをきっかけに、マンタロウとトモコとの間に、恋が芽生えるのであった。交際が始まった。
○○

ビルとビルとの、薄くらい谷間。ここに、人間の大きさになった、マンタロウと怪獣ビルダーがいる。マンタロウは、現金1万円を怪獣ビルダーに手渡した。ワイロのようだ。

どうやら、マンタロウと怪獣ビルダーは知り合いらしい。マンタロウは、以前からトモコに関心があった。ストーカーのごとく、トモコをつけていた。恋心を抱いていたらしい。

マンタロウは、トモコに近づくため、怪獣ビルダーを利用したのだった。

よくありがちな、恋愛作戦術である。そのために、1つの街を2人で破壊してしまうのであった。とんでもない2人だ。2人だけの秘密だよ。

以後、怪獣ビルダーは地球に現れることはなかった。



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