戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ビキニン(ハネムーン編)。20-2
六本木 5つ星ホテルのレストラン。

グレート・バリアリーフのビーチで、怪獣ビキニンが女性客だけを襲っているようだ。ビキニを奪っているらしい。丸裸にされている。

マンタロウは、チョッとだけ催促をした。

マンタロウ「あのー、オーストラリアですか。ファーストクラスで、2人1組、14泊15日、6つ星ホテルでスィートルーム、3食おやつ付、往復交通費と現地の交通費も無料、遊興費、土産付などなどだったら、考えてもいいかな…」

美人経営者「分かりました。母国のためです、それで手を打ちましょう」

トモコ「マンタロウ、2人1組って誰のこと…?」

マンタロウ「君に、決まっているじゃないか。僕と、けけけ、結婚して下さいっ!」
トモコ「ハイッ!」

トモコの返事は、早かった。即答だ。2人は喜び、ともに抱き締め合った。

トモコ「ついでに、ダイヤの結婚指輪もオプションにつけてもらえないかしら」

マンタロウは、ニコっと美人経営者に微笑みかけるのであった。
支配人「おい、日本の怪獣退治はどうするんだよ」

マンタロウ「知るか、そんなもん。日本は、ケチくさいんだよ。少しは、ワイロくらいよこせよ」

そうして2人は、成田空港からオーストラリアへと、ハネムーンを満喫するのであった。めでたし、めでたし。

マンタロウは、契約通り怪獣ビキニンを退治した。日本に帰国した頃には、怪獣たちによって街が破壊されていた。

マンタロウが住んでいた公営住宅も、破壊されていた。新しい宿舎を、探さなくてはならない。

怪獣を倒さなかったために、新居は政府から提供されなかった。自前の資金で、探すことになった。新婚生活は、おあずけのようだ。ヤレヤレ。

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