戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣キョウフ。22-1
東京、品川駅前。

背広姿の怪獣キョウフが、街で暴れている。元大会社の社長だ。人間時代は、バリバリの営業マンだった。腰ベルトに、携帯電話を所持している。携帯電話が鳴った。部下の怪獣からだ。

怪獣キョウフ「バカ野朗っ! 違うだろう。甲府駅を破壊したら、次は静岡駅だと言っただろう。何を、聞いているんだ。ドアホっ」

怪獣キョウフは、アホな部下に向かって怒鳴り散らしている。また、ストレスを貯めてしまった。怒り爆発だ。

怪獣キョウフは、口から光線を吐き幻覚を見せつけては、市民の心に恐怖心を植え付けている。みんな地面にヒザをつけて、ガクガクと震えている。

特に女性に対しては、恐怖に引きつる顔を眺めては、面白がっている。幽霊、お化け、ゴキブリ・クモ・ヘビなどの幻覚を見せて、楽しんでいる。女性たちは、「キャー、キャー」と悲鳴を上げている。最低な怪獣だ。

そこへ、マンタロウがJRに乗ってやってきた。駅から出てきた。喫煙場所がある。そこで一服してから、戦うつもりのようだ。

余裕だな。スッキリ。タバコを吸い終えると、マンタロウは巨大化した。大きくなった。戦闘開始だ。

だがマンタロウは、怪獣キョウフの光線を浴びて、あっけなく倒れされてしまった。役に立たないなー。脳裏に恐怖がよぎった。全身に恐怖が襲った。

マンタロウが最も恐れるのは、「カミナリの音」だった。耳の中に、ゴロゴロと雷鳴が響いてくる。


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