戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣スウガク。26
千葉県、市川市。商業高校。

星子が在籍する商業高校に、怪獣スウガクが現れた。九九ができずにイジメられ、その怨念がこもった怪獣だ。

星子が、授業を受けている。怪獣スウガクは、学校に向けて光線を口から吐いた。
怪獣スウガク「シンプソンビーム。導関数ビーム。カバリエリビーム。ライプニッツビーム。ゼノンビーム。とりつくし法ビーム…」

物理用語だ。難解すぎて、星子たちには分からない。受験を控えた生徒たちの頭脳に、多大なダメージを与えている。脳の負荷が大きい。苦しめている。

翌日、怪獣スウガクが、教壇に立った。星子たちは、地獄の勉強を強制させられた。受験科目だから、仕方なく単位をとろうと努めている。星子たちは、ノイローゼになりそうだ。

生徒たちを救うため、マンタロウは立ち上がった。というより、トモコと映画を観る約束があるので、SM69星雲のウルトラン星に代役を頼んだ。

セカイシ星人だ。数学と互角に戦う相手としては、世界史がふさわしいと考えたようだ。ほんまかいな。

世界地図に似た宇宙船「メルカトル」に乗って、セカイシ星人はすぐにやってきた。早い。

セカイシ星人は、ビームガンで「歴史光線」を撃った。簡単に、怪獣スウガクは倒れた。簡単に倒した。世界史の勝ち。

敗れた怪獣スウガクは、退散した。ノイローゼから、解放された。これで、学校は救われた。ヨシヨシ。星子も、これで安心して数学の授業を受けられる。

翌日、セカイシ星人が教壇に立った。しかし、世界史の授業になると、その教室に生徒は1人も出席することはなかった。

簡単になった、数学の授業を受けている。いや、率先して自分の判断で、難解な数学の勉強をしていた。

世界史は、大学の受験科目に入っていなかった。勉強をするだけ、ムダなのだ。ノイローゼになろうとも、難解といえども、まだ数学の授業を受けているほうがましなようだ。

星子「受験に関係のない授業なんて、誰が受けるかっ」。フンだ。

セカイシ星人は、教師として自信を失い落ちこぼれてしまった。教育委員会から、「クビ」を宣告されてしまうのであった。サヨウナラー。


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