戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ナマハゲ(マンタロウ・ベビー)。30-1
埼玉県、さいたま市。県営住宅。

マンタロウとトモコが、5階建ての5階に住んでいる。マンタロウは、トモコと結婚をした。

さらにそのトモコが、男の赤ちゃんを産んだ。人間の姿をしている。トモコにそっくりだ。マンタロウに似なくて、良かったね。

ベビーもモビルスーツを着用すれば、偉大なウルトランの戦士になれる。2人は、ベビーにどんな能力があるのだろうかと、期待をしている。将来が楽しみだ。

ベビーは、毎日のように「オギャー、オギャー」と泣いている。マンタロウが抱いてあやすと、もっと大声で泣き叫ぶようになった。

嫌がっている。トモコが抱くと、すぐ泣き止んだ。親を選ぶな。我がままなベビーだな。困ったもんだ。
○  ○

近所で、怪獣ナマハゲが現れた。その恐ろしい顔を見た赤ちゃんは、みんな泣いてしまい、心の底に恐怖心を植えつけられてしまう。トラウマになった。赤ちゃんにとって、恐ろしい怪獣だ。

近所の家が、次から次へと踏み潰されている。破壊されている。手・腕・足・シッポで、地道に建物を壊している。

街を破壊するには、意外と時間がかかるみたいだ。効率の悪い怪獣だな。そういう問題じゃない。

巨大化したマンタロウは、立ち上がった。市民を、ベビーを守るために戦った。やばい。怪獣ナマハゲは強い。強すぎる。

マンタロウは、怪獣ナマハゲのパンチをくらって倒された。背中でビルを破壊して、地面に倒れた。気絶している。もう、怪獣ナマハゲの天下だ。

怪獣ナマハゲは、マンタロウの県営住宅に向かっている。ベビーがいる。トモコは、近くのスーパーで買い物に出かけて不在だ。

怪獣ナマハゲは、ベビーのいる県営住宅に襲いかかった。足で、蹴りをいれようとしている。危ない。

もう、誰もベビーを救える者はいない。怪獣ナマハゲを倒せる者はいない。ベビーにできることは、ただ泣くことしかできない。

泣いた。泣き続けた。そして、大声で泣いた。
ベビー「オギャー、オギャーッ!」

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