戦えよウルトラ・マンタロウ
サンタ星人。4

12月24日。クリスマス・イブ。恋人たちや家族たちが、街にあふれかえる日だ。ところが、恋人に縁のないエンゼンル星人が、否、サタン星人が、悪事を働いた。

マンタロウは、サタン星人を追いかけた。こいつのおかげで、クリスマスの日に、仕事をすることになった。因果な、職業だな。

サタン星人は、アベックを狙った。幸せ一杯の女性を、後ろから襲い、唇を奪って行った。キス魔だ。男性たちからは、ブーイングが飛んだ。

キレイな女性たちは、サタンの魔力にとりつかれ、キスされた後は、ボーっとしながら満面な笑顔を見せている。思い出しては、喜んでいる。キャッ。

サタン星人の足の動きは、素早い。マンタロウも、走って追いかけているが、追いつけない。空から下界を見下ろしても、足取りがつかめない。どこに行った。

サタン星人を、捕まえることができる人は、もう誰もいないのか。いた。3人のおばさんA・B・Cだった。

3人のおばさんも、キスしてもらいたくて、取り押さえたようだ。欲情を抑えきれないおばさんパワーは、怖い怖い。

マンタロウが、現場に舞い降りた。サタン星人は、3人のおばさんに、キスされてくたばっている。大切な唇を奪われて、もう生きていけられない。

そうだ、生まれ変わろう。「サンタ星人」に変身だー。ヘンシーン。赤い服に赤い帽子を、着ている。トナカイの車両が現れた。ブヒーン。

サンタ星人「俺は、生まれ変わった。心を入れ替えた。子供たちに、オモチャを贈ろう」

サンタ星人は、大きな白い布袋を手にしている。中を開けて、空に向けて放り投げた。色々なオモチャが、空を舞った。多くのオモチャが、子供たちの家に届けられた。

マンタロウが、そのオモチャを片手で1つつかむと、「電動こけし」だった。それは、「大人のオモチャ」だ。子供向けではない。何を考えているのだ、こいつは。

マンタロウ「バカ野朗。大人のオモチャを、子供にプレゼントしてどうするんだよ」

マンタロウ・パーンチ!
サンタ星人は、1年後にはきっと、心を入れ替えてくれるであろう。
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