戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ワガママ(退職編)。43-1
国会議事堂前の道路。

巨大化したマンタロウとガンバラナイ星人が、戦っている。マンタロウの仕事は、悪の宇宙人や怪獣から、人類の危機を救うことだ。命にかけても守る、それが使命だ。それが、ウルトランの愛だ。

ガンバラナイ星人「これをくらえ。ガンバラナイ・ビームっ!」

マンタロウが、ビーム光線を受けて倒れた。路上でのた打ち回っている。立てない。危険だ。命が危ない。

トモコが、息子マンジロウを抱いて心配している。

トモコ「あなたーっ、もう、止めてー。あたしと仕事、どっちが大切なのー。あたしのことを愛しているのなら、戦うのを止めてーっ。イヤーっ!」

トモコは、涙ながらに大声で叫んだ。マンタロウは、四つんばいになり、お腹を押さえて倒れこんでいる。

マンタロウは正気に返って、フと顔を上げた。目を、パチクリ・パチクリさせている。首をかしげている。迷っている。

しばし、何かを考えこんでいる。そして、スッと立ち上がった。ガンバラナイ星人は、コブシを握ってファイティングポーズをとっている。

マンタロウ「止ーめた。人類の存続なんか、どうでもいいや」

ガンバラナイ星人「おいおい。戦いを、放棄するつもりかよ」

マンタロウ「俺は、愛する家族のために、仕事を止める。仕事より、家族が大事だ。文句あるか。フンだ」

何事にも、やる気を失わせるのが、このビームの特徴だった。マンタロウは、戦いをやめて、空の向こうへと飛び去って行くのであった。ドバッと。

ガンバラナイ星人が、1人ぽつんと立っている。自衛隊の戦車や攻撃ヘリがやってきた。しかし、相手にならない。簡単につぶされてしまった。

幸運にも、隊員たちは誰も負傷していない。ビームを浴びて、戦う気力を失せてしまったようだ。これで、日本はガンバラナイ星人に征服されてしまった。

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