戦えよウルトラ・マンタロウ
おばさん仮面44-1
ガンバラナイ星人。
東京都、原宿。

16歳の女子高校生、星子がいる。

星子「やっぱり、あたしが立ち上がるしかないようね。マンタロウに代わって、お尻をペンペンするわよ。ヘンシーン、美的少女っ!」
ピカーっ。キラキラキラーっ。

と思いきや。星子は「美的少女」ではなく、「おばさん仮面」に変身してしまった。ドスンドスン。ズングリ・ムックリ。

おばさん仮面「まーた、おばさんに変身しちゃったー」。もう、やーだー。

変身マシンが、コントロールできないようだ。壊れている。ブクブク。おばさん仮面は、人型の大きさのガンバラナイ星人と対決した。もう、開き直るしかない。

おばさん仮面は、太い足で、猛突進してきた。風を切っている。意外と早い。そして、飛び上がった。

おばさん仮面「デカ尻、アターック!」

ガンバラナイ星人は、デカ尻の体当たりを受けて吹き飛んだ。100メートルも吹っ飛んだ。その破壊力は、半端じゃない。頭を強打した。イテー。

ガンバラナイ星人「ウワー、助けてくれー。おばさんは、苦手だーっ」

人類を滅ぼすのは、我がままな女性だったが、人類を救うのはおばさんだった。

おばさん仮面をきっかけに、世界中のおばさんたちが立ち上がった。おばさん仮面、マンタロウ・マザー、お掃除戦隊オバサンダー、関西系おばさん、その他大勢のおばさんたちが、ガンバラナイ星人と戦った。

特に、関西系のおばさんは強かった。猛虎のハッピを着ると精神的に変身した。屈強な男性・ヤクザたちまでも、ビビッた。みんな、おばさんたちを恐れた。

ガンバラナイ星人の前では、男性たちは役に立たない。おじさんたちは、尻込みをしている。まともに戦って、勝てる相手ではない。恐ろしくて、戦う度胸などない。

しかし、怖いもの知らずのおばさんたちには、その恐怖は通じない。おばさんには、理屈が通じない。結果を理解していない。

ふてぶてしさ、図々しさ、マナー違反、モラル違反は平然とやってのけてしまう。自分が、社会常識の基準なのだ。


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