戦えよウルトラ・マンタロウ
怪獣ウワキ。45-1
茨城県、筑波山のふもと。トモコの実家。農家。

トモコの両親、祖父母は、青空の下で汗水を流して働いている。マンタロウは、居間でテレビゲームをして楽しんでいる。浮気調査の探偵もののゲームだ。

チョット、イラついている。白いTシャツにトランクス姿だ。人間の姿で、生活をしている。素顔をさらけだしている。見た目は中年のおっさんだ。額がはげている。

ゲームの合間を見て、スイカを食べている。食べる、フレッシュ・ジュースやー。マイウー。

モビルスーツは、もう着ることはない。今では、思い出の着ぐるみだ。ウルトラン会社に再就職ができれば、機能は回復して使用はできるようだ。それを期待して、トモコは大切にモビルスーツを保管している。

トモコは、庭でマンタロウのモビルスーツ10着を干している。日干しだ。汗臭い。その中に1着だけ、オシャレでよそ行き。デザイン抜群のモビルスーツがある。

男性雑誌「オンオン」に登場するような、イケメン的なスーツだ。ナンパ用のモビルスーツだ。女性をくどくには、これに限る。

でもマンタロウは、これを着たことが一度もない。恥ずかしいようだ。ナンパをする、度胸がないようだ。ナンパ怖い。

でも、今では開き直っている。着る勇気がわいてきた。ゲームの手を休めた。

マンタロウ「そうだ、これを着て仕事にでも行ってこようかな」

トモコ「仕事って、今失業中でしょう。何を、言っているのよ?」

マンタロウ「アホ。ナンパは男の仕事じゃ。これから渋谷に行って、可愛い女子高校生と遊んでこようっと」


< 65 / 68 >

この作品をシェア

pagetop